令和4年9月 秋麗フェスタ

令和4年9月に文化会館の大ホールにて、「秋麗フェスタ(芸と術についての講演会)が行われました。異なる世代の達人たちが「芸」は故人の残した基礎があっての表現力。「術」は修行の結果得られた能力と謳ってのそれぞれの分野についてのご講演。

お一人めは、芸大美術学部デザイン科卒の美術博士でアート系事業会社の代表、田村吾郎氏。多くの役職を兼務し、今回は空間表現、教育福祉文化、デザイン等六つの領域を横断的に掛け合わせ、今までにない新たな価値の創造を目指す試みが紹介されました。

次は合気道の大家、多田宏氏。早稲田大学法学部卒。日本文化の伝統と合気道に於ける錬磨の研究者。イタリア、スイスを中心に、「気の錬磨」を主とした合気道を普及され、令和元年にイタリア大統領より「イタリアの星・騎士勲章」を贈られている方。現在は、国際合気道連盟委員他でご活躍中。地元吉祥寺の月窓寺道場でも「動く禅としての合気道」の稽古を主催し、後進の育成をなさっていて日本の伝統芸術と呼吸法、瞑想法による心と体の使い方についてお話し下さいました。

3番めの方は落語家の林家正雀師匠。昭和49年に、故、林家彦六(八代目正蔵)師に入
門され、58年に真打に昇進。古典の芸もひき継ぎながら創作物にも取り組んでおられる。
師匠によると落語はもともと、「落し咄」と云って「落ち(サゲ)」が大事なので皆そこに苦労する。又お客様から三つの題を貰って作る「三題噺」というのがあってそれも落ちが肝心なのでやはりそこに苦労します、と。
今回は落ちの優れた小咄と、三題咄を中心に披露しながらお話が進められました。

改めて武蔵野市の芸術文化度の高いことに気付かされ、大変頼もしく嬉しく思いました。

茶道連盟(芸文協理事) 杉町 宗康

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